こんにちは!
そんな悩みを抱えていませんか?
interface
は主にオブジェクトの構造を定義するために使われ、type
はより柔軟に様々な型を定義するために使われます。
interface
は後から拡張が可能で、オブジェクト指向的な設計に向いています。
一方、type
は一度定義すると変更できませんが、ユニオン型やインターセクション型など、複雑な型を作るのに適しています。
この記事では、interface
とtype
の違いを、わかりやすく、そして実践的に解説していきます。
コードを書く上で、どちらを選ぶべきなのか、その判断基準もバッチリお伝えします。
interface
とtype
の基本的な違い- それぞれの特徴と使用例
- 実際のプロジェクトでの使い分け方
- よくある間違いと注意点
interfaceとtypeの基本的な違い
TypeScriptを使う上で、interface
とtype
は避けて通れない重要な概念です。
でも、一見すると似ているこの2つ、いったいどう違うのでしょうか?
まずは、定義の仕方から見ていきましょう。
interface
は、オブジェクトの構造を定義するのに使います。
一方、type
は、型に名前をつけるためのエイリアス(別名)として使われることが多いんです。
具体的には、こんな感じです。
// interfaceの定義
interface UserInterface {
name: string;
age: number;
}
// typeの定義
type UserType = {
name: string;
age: number;
};
見た目はそっくりですが、使用目的が少し違います。
interface
は主にオブジェクト指向プログラミングの考え方に基づいて使われます。
クラスが実装すべき構造を定義したり、オブジェクトの形を決めたりするのに適しているんです。
対してtype
は、もっと柔軟な使い方ができます。
単純なオブジェクトの形だけでなく、プリミティブ型、ユニオン型、タプル型など、様々な型を定義できるんですよ。
拡張性という点でも、両者には違いがあります。
interface
は後から新しいプロパティを追加できる「宣言のマージ」という機能があります。
一方、type
は一度定義すると変更できません。
例えば、こんな感じです。
// interfaceの拡張
interface UserInterface {
name: string;
}
interface UserInterface {
age: number;
}
// nameとageの両方を持つUserができる
// typeの場合
type UserType = {
name: string;
}
type UserType = {
age: number;
}
// 同じ名前でtypeを再定義するとエラーになる
この違いは、大規模なプロジェクトや、ライブラリの開発時に重要になってきます。
拡張性が必要な場合はinterface
、厳密な型定義が必要な場合はtype
を選ぶ、といった具合です。
interfaceの特徴と使用例
interface
は、TypeScriptの中でも特に重要な機能の一つです。
オブジェクトの形を定義するのに使われますが、それだけではありません。
クラスの実装や、継承、拡張など、様々な場面で活躍します。
まずは、基本的なオブジェクトの型定義から見ていきましょう。
interface Person {
name: string;
age: number;
greet(): void;
}
const john: Person = {
name: "John",
age: 30,
greet() {
console.log(`Hello, I'm ${this.name}`);
}
};
このように、interface
を使うと、オブジェクトの構造をはっきりと定義できます。
プロパティの型だけでなく、メソッドの型も指定できるんですよ。
interface
のもう一つの大きな特徴は、クラスの実装に使えることです。
こんな感じです。
interface Drawable {
draw(): void;
}
class Circle implements Drawable {
draw() {
console.log("Drawing a circle");
}
}
このようにinterface
を使うと、クラスが必ず実装すべきメソッドを定義できます。
これは、大規模なプロジェクトでコードの一貫性を保つのに役立ちます。
さらに、interface
は継承と拡張が可能です。
これにより、複雑な型を段階的に構築できるんです。
interface Animal {
name: string;
}
interface Pet extends Animal {
owner: string;
}
const dog: Pet = {
name: "Buddy",
owner: "Alice"
};
この例では、Pet
インターフェースがAnimal
インターフェースを継承しています。
Pet
はAnimal
のプロパティを全て持ちつつ、新しいプロパティを追加しているんですね。
interface
のこういった特徴は、特に大規模なアプリケーションの開発で真価を発揮します。
コードの構造を明確に定義し、型の安全性を高めることができるんです。
typeの特徴と使用例
type
は、interface
と比べてより柔軟な型定義が可能です。
単なるオブジェクトの形だけでなく、様々な型を定義できるんです。
それでは、具体的な使用例を見ていきましょう。
まず、プリミティブ型のエイリアスとしての使用例です。
type UserId = string;
type Age = number;
function getUserInfo(id: UserId, age: Age) {
console.log(`User ID: ${id}, Age: ${age}`);
}
getUserInfo("abc123", 25);
このように、基本的な型に別名をつけることで、コードの意図がより明確になります。
UserId
やAge
という型を見るだけで、その変数が何を表しているのかがすぐにわかりますね。
次に、type
の強力な機能の一つ、ユニオン型とインターセクション型の定義を見てみましょう。
type Result = "success" | "failure";
type Point2D = {
x: number;
y: number;
};
type Point3D = Point2D & {
z: number;
};
const point: Point3D = { x: 1, y: 2, z: 3 };
ユニオン型(|
で結合)は、複数の型のうちいずれかを表します。
インターセクション型(&
で結合)は、複数の型を組み合わせた新しい型を作ります。
これらを使うことで、複雑な型を柔軟に定義できるんです。
type
はタプル型の定義にも便利です。
タプルは、要素の数と型が固定された配列のようなものです。
type Coordinate = [number, number];
function plotPoint(point: Coordinate) {
console.log(`X: ${point[0]}, Y: ${point[1]}`);
}
plotPoint([10, 20]);
この例では、Coordinate
型を2つの数値からなるタプルとして定義しています。
これにより、座標を表す変数の型を簡潔に指定できますね。
type
のこういった特徴は、特に複雑なデータ構造を扱う際に力を発揮します。
APIのレスポンス型や、状態管理ライブラリの状態の型など、複雑な型を定義する場面で重宝しますよ。
interfaceとtypeの使い分け
interface
とtype
、似ているようで異なるこの2つ。
実際のプロジェクトでは、どのように使い分ければいいのでしょうか?
ここでは、オブジェクト指向設計、ライブラリやフレームワークでの使用傾向、そしてパフォーマンスの観点から見ていきましょう。
オブジェクト指向設計
オブジェクトの構造を定義する場合は、基本的にinterface
を使うのがおすすめです。
特に、以下のような場合はinterface
が適しています。
- クラスが実装すべき契約を定義する場合
- オブジェクトの公開APIを定義する場合
- 拡張可能な型を定義したい場合
例えば、こんな感じです。
interface Animal {
name: string;
makeSound(): void;
}
class Dog implements Animal {
name: string;
constructor(name: string) {
this.name = name;
}
makeSound() {
console.log("Woof!");
}
}
ライブラリやフレームワーク
type
は以下のような場合に適しています。
- ユニオン型やインターセクション型を定義する場合
- 関数の型や、タプル型を定義する場合
- 型の別名(エイリアス)を作りたい場合
次に、ライブラリやフレームワークでの使用傾向を見てみましょう。
ReactやVueなどのフロントエンドフレームワークでは、type
を使用する傾向が強いです。
これは、コンポーネントのpropsやstateの型を定義する際に、ユニオン型やインターセクション型を多用するためです。
type Props = {
name: string;
age: number;
} & (
{ type: "student"; grade: number } |
{ type: "worker"; company: string }
);
一方、バックエンドのフレームワークやORMなどでは、interface
を使用する傾向があります。
これは、データモデルやサービスの契約を定義する際に、interface
の拡張性が有用だからです。
パフォーマンス
実は、interface
とtype
のパフォーマンスには、ほとんど違いがありません。
TypeScriptはコンパイル時に型チェックを行い、実行時には型情報が消去されるためです。
ただし、非常に複雑な型を定義する場合、type
の方が若干コンパイル速度が速くなる傾向があります。
しかし、通常のアプリケーション開発では、この差はほとんど無視できるレベルです。
結局のところ、interface
とtype
の選択は、主にコードの可読性と保守性を考慮して決めるべきでしょう。
プロジェクトの方針や、チームの好みに合わせて一貫性を持って使い分けることが大切です。
その他の違い
interface
とtype
には、主要な違い以外にもいくつかの特徴的な違いがあります。ここでは、これまで触れていなかった違いについて見ていきましょう。
計算プロパティ(Computed Properties)
type
では計算プロパティを使用できますが、interface
では使用できません。
type Keys = "firstname" | "lastname";
type DuoName = {
[key in Keys]: string;
};
// OK
const name: DuoName = {
firstname: "John",
lastname: "Doe"
};
// interfaceではこのような定義はできません
型の合成(Type Composition)
type
はユニオン型やインターセクション型を直接定義できますが、interface
ではそれができません。
type StringOrNumber = string | number;
type NameAndAge = { name: string } & { age: number };
// interfaceではこのような直接的な合成はできません
プリミティブ型の拡張
type
ではプリミティブ型を拡張できますが、interface
ではオブジェクト型しか扱えません。
type MyString = string;
type MyNumber = number & { isEven(): boolean };
// interfaceではプリミティブ型の拡張はできません
型の再帰的定義(Recursive Type Aliases)
type
では再帰的な型の定義が可能ですが、interface
では直接的な再帰定義はできません。
type Tree<T> = {
value: T;
left?: Tree<T>;
right?: Tree<T>;
};
// interfaceでも似たような構造は定義できますが、
// 直接的な再帰参照はできません
インデックスシグネチャ(Index Signatures)の扱い
interface
とtype
の両方でインデックスシグネチャを使用できますが、type
ではより柔軟な定義が可能です。
interface StringDictionary {
[key: string]: string;
}
type FlexibleDictionary = {
[key: string | number]: any;
};
型の交差(Intersection)と継承(Extends)
interface
はextends
キーワードを使って継承しますが、type
は&
演算子を使って交差型を作ります。
interface AnimalInterface {
name: string;
}
interface DogInterface extends AnimalInterface {
bark(): void;
}
type AnimalType = {
name: string;
}
type DogType = AnimalType & {
bark(): void;
}
タプル型の定義
type
ではタプル型を直接定義できますが、interface
では同様の定義が難しいです。
type Pair = [string, number];
// interfaceでは同等の定義が直接的にはできません
型エイリアスの自己参照
type
では型エイリアス内で自己参照が可能ですが、interface
ではそれができません。
type LinkedList<T> = T & { next?: LinkedList<T> };
// interfaceでは直接的な自己参照はできません
【付録】さらに学びを深めるためのリソース
intersection型について理解を深めたところで、さらに学習を進めたい方のために、いくつかのリソースを紹介します。
これらのリソースを活用することで、TypeScriptの型システムについてより深い知識を得ることができるでしょう。
おすすめの書籍
プロを目指す人のためのTypeScript入門
プロ開発者への近道!基礎から応用まで幅広くカバー
1一番のおすすめは「プロを目指す人のためのTypeScript入門」です。
この本は、TypeScriptの基礎から高度な使い方まで幅広く解説しています。
初心者でも理解しやすい説明から始まり、徐々に難易度を上げていく構成が特徴。
プログラミング経験者なら、さらに深い理解が得られるでしょう。
実際の開発現場で使えるテクニックも豊富に紹介されているのがポイント。
型の使い方や設計パターンなど、実践的な内容が満載です。
プロの開発者を目指す人はもちろん、TypeScriptをしっかり学びたい人におすすめの一冊。
基礎固めから応用力の向上まで、幅広いニーズに応えてくれます。
現場で使えるTypeScript 詳解実践ガイド
実践的スキルを身につけたい人必見!現場のノウハウが詰まった一冊
次におすすめは「現場で使えるTypeScript 詳解実践ガイド」がランクイン。
この本の特徴は、実際の開発現場で役立つ知識が詰まっていること。
TypeScriptの基本的な文法から始まり、実際のプロジェクトでどう活用するかまで丁寧に解説しています。
エラー対処法や性能改善のコツなど、現場ならではの知恵も満載。
特に、大規模なプロジェクトでTypeScriptを使う際のベストプラクティスが学べるのが魅力。
コードの保守性や再利用性を高める方法も詳しく紹介されています。
すでにJavaScriptの経験がある人や、実務でTypeScriptを使いたい人におすすめ。
この本を読めば、現場で即戦力として活躍できる力が身につくはずです。
書籍に関してはこちらの記事も参考にしてくださいね!
オンラインで参照できる公式ドキュメント
TypeScript公式ハンドブック
https://www.typescriptlang.org/docs/
TypeScriptの公式ドキュメントです。
intersection型を含む、すべての型システムの機能について詳細な説明があります。
TypeScript Deep Dive
https://basarat.gitbook.io/typescript/
TypeScriptの深い部分まで掘り下げて解説しているオンラインブックです。
無料で読むことができ、intersection型についても詳しく説明されています。
TypeScriptの学習は終わりがありません。
新しい機能が常に追加され、より良い書き方が発見されています。
継続的に学習を続けることで、より良いTypeScriptプログラマーになれるはずです。
ひとつひとつ真摯に向き合う企業
株式会社 ONE WEDGEでは、新たな仲間を募集しています!
私たちと一緒に、革新的で充実したキャリアを築きませんか?
当社は、従業員が仕事と私生活のバランスを大切にできるよう、充実した福利厚生を整えています。
- 完全週休2日制(土日休み)で、祝日や夏季休暇、年末年始休暇もしっかり保証!
- 様々な休暇制度(有給、慶弔、産前・産後、育児、バースデー休暇)を完備!
- 従業員の成長と健康を支援するための表彰制度、資格取得支援、健康促進手当など!
- 生活を支えるテレワーク手当、記事寄稿手当、結婚祝金・出産祝金など、様々な手当を提供!
- 自己啓発としての書籍購入制度や、メンバー間のコミュニケーションを深める交流費補助!
- 成果に応じた決算賞与や、リファラル採用手当、AI手当など、頑張りをしっかり評価!
- ワークライフバランスを重視し、副業もOK!
株式会社 ONE WEDGEでは、一人ひとりの従業員が自己実現できる環境を大切にしています。
共に成長し、刺激を与え合える仲間をお待ちしております。
あなたの能力と熱意を、ぜひ当社で発揮してください。
ご応募お待ちしております!
ホームページ、採用情報は下記ボタンからご確認ください!
応募、ご質問など、LINEでお気軽にご相談ください♪
まとめ
ここまで、TypeScriptにおけるinterface
とtype
について詳しく見てきました。
最後に、主な違いを復習し、実際のプロジェクトでの使用指針をまとめましょう。
まず、interface
とtype
の主な違いを振り返ってみます。
- 定義の方法:
interface
はオブジェクトの構造を定義するのに使い、type
は型に名前をつけるエイリアスとして使います。 - 拡張性:
interface
は宣言のマージが可能で後から拡張できますが、type
は一度定義すると変更できません。 - 使用目的:
interface
はオブジェクト指向設計に適し、type
はより柔軟な型定義に適しています。
これらの違いを踏まえて、実際のプロジェクトでは以下のような使用指針が考えられます。
1. オブジェクトの構造定義にはinterface
を使う
特に、クラスが実装すべき契約や、オブジェクトの公開APIを定義する場合はinterface
が適しています。
2. 複雑な型定義にはtype
を使う
ユニオン型、インターセクション型、タプル型などの複雑な型定義にはtype
が便利です。
3. プロジェクトの一貫性を保つ
チーム内で使用ルールを決め、一貫性を持って使い分けることが重要です。
4. 過度に複雑な型定義は避ける
型定義が複雑になりすぎると、かえってコードの理解が難しくなります。
シンプルさと型安全性のバランスを取ることが大切です。
5. 型推論を活用する
TypeScriptの型推論は強力です。
明示的な型定義が不要な場合は、型推論に任せるのも一つの方法です。
これらの指針を念頭に置きながら、プロジェクトの要件に合わせてinterface
とtype
を使い分けていくことをおすすめします。